パワハラは今に始まったことではない。過去から現在に至るまでずっと続いているものだ。今もブラック企業でパワハラに苦しんでいる人もいるだろうし、過去にパワハラにあった、という人もいるだろう。
だが、最近思うのだが、パワハラの行為自体が派手になっていないか。
社長のパワハラで鍋に顔を突っ込んだ部下の話はまだまだ記憶に新しいだろう。なぜそのようなことをあえてするのだろうか。
1.想像力の欠如
想像力の欠如というのは知性の欠如と言い換えてもいい。思うにパワハラをする人とういのはおおむね想像力が欠如しているのではないか。
こういうことをしたらどうなるだろうかだとか、周囲の人間がどういう感情になるだとか、職場全体にどういう影響を与えるのだとか、これらのことを考えることができないのだ。
だからこそ迷うことなく周囲に実害を加えるのである。
彼らは独りよがりの考えで自分本位で生きている。周りの人を人だとは考えていない。基本会社の利益だと考えている。
そういう点においても想像力が欠如しているということもできる。想像力の欠如の根底にあるのは知性の欠如である。周りの状況を考える力がないがために状況を気にせずに暴れてしまうのだ。
したがってパワハラの問題点として第一に挙げられるのは想像力及び知性の欠如である。
2.学校教育上の問題
上下関係
次に考えられるのは学校教育上の問題である。どういう点において学校教育上の問題なのかというと上下関係だ。
私たちは主に学校教育を通じて(部活もあるが)、先輩後輩という人間関係を形成する。それが学校生活から会社や公務員などの組織まで連綿と続いていく。
これだけを述べると決して悪いことではないような気もする。先輩後輩という関係形成することによって人間関係にメリハリができ、ある意味で健全な人間関係が保たれる。それによって例えば技術や学問などが良い感じに継承していくことができる。
だが、上下関係を作るというのは自分よりも身分が上の人間と下の人間を作り出すという見方もできる。その結果上の人間、つまり先輩にはソンタクをし、下の人間にはパワハラをする人間も出てくる。
というか、それが日本における人間関係の言い方は悪いが基礎になってしまっている。ゆえに上司のパワハラに耐えられずうつ病になってしまったり、最悪の場合自殺をするというようなこともできる。
ではその上司はというと上にしっかりとソンタクをし、既得権益を保持する。
そりゃあ若者も会社で働きたくなくなるのも無理はないだろう。しかもそれでいて報われるかもわからない。給料は上がっていかないし、出世する可能性だって低い。
話が逸れてしまったが、結局無意味なソンタク、パワハラを生むような上下関係であるがゆえ、人間関係の軋轢は消えないのだ。
逃げられない教育
昔よりかはましになってきてはいるが、学校生活から一度道に逸れてしまうと戻るのは難しい。いや純粋に勉強するだけだったらまだしも内申点とかが絡むとそうはいかない。
しかも周囲の人間関係の隔たりができてしまう。学校生活から脇道のそれるとマイノリティの人間となってしまう。
部活などもいったん入部してしまうと途中で辞めるのは気まずい。ゆえに引退の時までやることになる。こういう人が圧倒的だろう。
このことから何が言えるかというと、いったん始めたものは最後まで続けなければならないという考えてみれば意味不明の固定観念が出来上がる。
したがって例えば会社などに入社して上司からパワハラを受けたとしても耐えてしまうという社畜根性が醸成されてしまうのだ。
鍋に顔を突っ込んだ部下も根底には「この道しかない」というような固定観念があったのでこのような悲劇を招いてしまったと私は思う。
社長 の言うことを拒否することだってできたはずなのだ。
したがって逃げてはいけないという教育によって悲劇を招いてしまったのである。
3.酒の問題
実はこれが1番厄介かもしれない。以前私は酒の持つ危険性に関する記事を書いた。
酒に酔うと人間は大体2種類の行動パターンに分かれる。1つは上記の記事の政治家のように身に着けたものを取っ払い「全力少年」になるパターン。
もう1つは性格が豹変し危ないやつになるパターン。
「顔面しゃぶ鍋」パワハラ芸能プロ社長の“素顔” 被害者が語った一部始終(デイリー新潮) - Yahoo!ニュース
上記のパワハラ社長はおそらく性格が変わるパターンだろう。というかそもそもシラフの時から既に危ない性格だったのだろうが、酒が入りされに悪質な状態になったのだろう。
このように酒が入り性格が変わるとパワハラが起きやすい状況になってしまう。しかも日本人は居酒屋に入ったら外から見られているという自覚をなくす傾向にある。
言ってしまうと、他の客の視線とかも気にせずどんちゃん騒ぎを起こしてしまう。それで酒が入りエスカレートしてしまい、結果周囲に迷惑をかけてしまうことになる。
酒は私たちが思っている以上に怖い。それにも関わらず私たちはつい自分を過信して飲みまくってしまう。そうなってしまったら時既に遅しだ。これからは忘年会シーズンなので気をつけるべきである。
パワハラというのは身近なところから、ささいな出来事から起きてしまうこともある。そのことに注意しなければ、悲劇を招いてしまう。
上記のパワハラの社長から学ばなければ、いつ自分が加害者になるかもわからないのだ。