大学入試を中心に知識偏重に対する批判が行われています。
まあずいぶん前からですが…。
知識偏重ではいけない!
これからは、知識というのはネットでググれるので、知識よりも考える力、つまり思考力が大事だという感じで。
でも、そういう風潮に対してかなり疑問に思うことがあるので、今日はそのことについて書いていきまーす。
知識がないと思考できない
世の中は知識があっても、思考力がないとダメだ!みたいな風潮ですが、そもそも知識がないと思考できなくないですか?
例えば、ボストン茶会事件について考えろ!と言われても、ボストン茶会事件の背景知識がなければ考えることができないです。
今年のプロ野球はどうなる!?
と言われても、まず野球の最低限のルールの知識と各球団の主力選手の名前がわからなければ、プロ野球について考えるだなんてドダイ無理な話です。
プロ野球選手に関する知識がなければ、菅野智之とか中田翔とか山下穂高と言われても何のこっちゃさっぱりわかりませんし、彼らがどういう選手なのかについても知る由がありません。
考えてみれば当たり前なのですが、物事を考えるためにはまず知識を詰め込む必要があるんですよね。
知識が何もないのに、モノを考えるだなんて、考えても意味がわからないです。
知識がないとググれない
でも中には、「いや、知識(というより情報!?)なんてネットでググればいくらでも出てくるからわざわざ頭に入れる必要はない!」と言う人もいるでしょう。
確かに知識があってもなくてもネットでいくらでも情報をググることはできますが、知識がある人が情報をググるのと、何も知識がないパッパラパーな人が情報をググるのとでは、ググって得られる知識の質が違います。
相対性理論の知識がいくらかある人と、そもそも相対性理論の「そ」の字も知らない人が相対性理論をググるのでは、あまりにも得られる情報に差がでます。
相対性理論を知っている人は(私は一ミリも知らないです)、特殊相対性理論とか一般相対性理論、量子力学、光って粒子なの?波動なの?などについていろいろ調べられますが、相対性理論の「そ」の字も知らない人は、そもそもその意味するところから調べなくてはいけません。
大学受験レベルの英語ができる人はBBCやCNN、TEDなどから情報を得ることができますが、アルファベットの知識すらない人は、「アメリカって!?イギリスって?」みたいなレベルだと思うのでそこからググらなければ(ググる気失せる)いけません。
おそらく、そういう人は南アフリカ共和国とかいう国のことなんて知らないかもしれません。
なので、いくらネットで情報をググれるからと言っても、知識があるのとないのではググって得られる情報に明らかな差が生じてしまいます。
ネットで知識を得られるような環境になっても、結局のところ知識を自分の頭の中にぶちこまないと、得られる情報がへぼくなり、あっという間に情弱になってしまいます。
「知識偏重に対する批判」は学問に対する冒涜
そもそもですが、勉強、学問は知識をつけてなんぼのものです。
それは仕事のスキルなども同じですが…。
知識はいくらあっても多すぎるということはありません。
それに知識が多いほど、深い思考をすることができるようになる。
それにも関わらず、「知識偏重ではいけないんだ!これからは思考力、そしてコミュニケーション能力だぁぁぁぁ!!」
とのたまうのは(マスコミがそういうふうに騒ぎ立てている)、明らかに学問に対する冒涜だと思うのです。
それって勉強することは悪だ!みたいなニュアンスが伝わってきませんか?
なんかアレですよね。ここ数年、勉強してある程度知識がある人よりも、勉強は適度にやり要領よくやってコミュ高めな感じの人が重宝されつつありますよね。
まあ時代の流れ的なものもあるのでそれは仕方ないことですが、全体としてそうなってしまったら(つまり勉強はほどほどにコミュ力は高い。忖度力も高い)、社会が衰退してしまうように感じます。
あ、、、、だから日本のGDPが下が、、、貧しくなって、、、、
繰り返しますが、知識がなければ思考することができないですし、それにコミュニケーションだってある程度の知識量がないと話が面白くならないです。
つまり質の高いインプットをしていないと質の高いアウトプットができないのです。
にも関わらず、ここ数年インプットを軽視してアウトプットを良くすることがトレンドになっているのは嘆かわしいことだと思いますね。
まとめ
ここ数年、大学入試を中心に「知識偏重ではいけない!これからは思考力が大事!」みたいな風潮がありますが、知識がないとマトモに思考することができません。
ググるのだってある程度の前提知識がなければ、できません
それに大学生になってこれから勉強していかなければならないのに、知識偏重を批判するのはある意味で学問の対する冒涜です。
知識をググれる時代になってもまず頭の中に知識を詰め込んでいくことが重要です。
以上。