以前勤めていた会社の研修での話です。
その時の研修に参加していた社員の人数はだいたい30人から40人といったところ。
(新卒と中途ごちゃまぜで研修をやっていました。時期的に新卒が入社する時期だったので)
で、担当講師は何人いたかは覚えていませんが、複数いました。
で、その中のある講師がこう問うてきました。↓
(みなさんも考えてみてください)
(ちなみに業種はITです)
講師A「みなさ~ん!ここで質問です!仕事はできないが出勤時間をしっかり守る社員と、仕事はできるがいつも5分10分遅刻してくる人、社会人としてどちらが評価されるでしょう~?」
ワイの心の中「は!?そりゃ少し遅刻しても確実に仕事をする人間やろ!だって前者を評価してしまうと、『時間さえ守ってれば仕事ができなくてもいい』ことが正当化されるやろ!しかもITやで!労働時間よりも成果を評価する業種やで!!そういう労働環境で5分10分の遅刻なんてたいしたことないやろ!」
(謎に関西弁)
私以外の研修に参加している社員「(ザワザワ)もちろん前者だよね!仕事ができても時間を守らないなんて社会人失格!!大罪!死刑!!!先生!もちろん前者です!」
(「死刑」とか「大罪」という言葉はガチで言っていました。民度…)
講師「はい。そうですね。社会人として評価されるのは仕事はできないが、出勤時間をしっかりと守る人です。いくら仕事ができても時間を守らないのは周りからの信頼を失います。みなさん。ITというのは仕事の得意不得意があるのでできない人がいても仕方がないです。仕事ができなければ時間をしっかりと守りましょう!」
ワイの心の中「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!?????仕事ができない人を評価してええのー!?ITってこれからいっそう労働時間よりも成果を出すことが重視されていくのにいぃぃぃぃぃ!!!???というかここ東京やぞ?定時9時からだったら電車の遅延も頻繁に起きるから定時間に合わないことが多いゾ!新卒もいる中でそんなこと言ってしまってええの?そんなこと言ったら新卒の人は『仕事ができなくても誠実性を示せばいいんだ!』とか考え出してマジメに仕事やらんぞ!?」
この会社は結局辞めたのですが、身をもってなぜ日本の労働環境の生産性が上がらないのかがわかりましたね。
成果を上げることよりも時間を守るという「誠実性」を重視しているようでは生産性に限らず労働環境も良くならない・変わらないのは間違いないです。
というか、ITの会社がそんなことを教えているのは驚きました。
(もちろんこんなITの会社なんてごく一部ですけどね!)
確かに時間を守ることは重要だと思います。特に営業やっている人とか顧客とのアポの時間に遅れたらとんでもない損失を被ると思います。
それに医療従事者も少しの時間遅れるだけで患者の命に深刻な影響をもたらしてしまう可能性があります。
が、それでも労働時間よりも成果を求められる(それはITに限らずですが)仕事において声を大にして、しかも新卒がいる場で
「仕事はできなくともちゃんと時間を守っていれば周囲との信頼関係を築くことができます!」
と言ってしまうのはさすがにヤバいと思います。
こういうこと言う人ってアレですよね。時間を守る人=誠実性があるみたいな考えを強く持っていますよね。
その一方で時間を守らない人=誠実性がない。だらしがない、みたいな。
でもそういうこと考えている人が見落としているのは、誠実性があっても必ずしも人間的に優れているわけではないということだと思います。
時間を守る誠実な人=周囲との関係がうまくいく人、、、とは限らないじゃないですか。
一方、誠実でなくても良い感じに人間関係をうまく構築できる人だっています。それに仕事ができるのなら、別に5分10分の遅れなんて何の損失にもならないはずです。
この場合、つまり誠実性があっても仕事ができない、人間関係をうまく構築できない人と誠実性がなくても仕事ができる、人間関係をうまく構築できる人だと間違いなく後者が社会的に評価されますよね。
日本の労働環境は良くなりつつありますが、いまだに時代錯誤な考えを持った会社が多く存在します。
時間さえ守ればいいと…。
そういうマインドを変えていかないと、労働者も幸せにならないと思いますね。
以上です。