日本の会社は全体として成果主義になりつつあります。
まだ完全ではないにせよ、昔よりも仕事の成果が給料をはじめとする待遇に反映されています。
このことは仕事ができるビジネスパーソンにとってはとても喜ばしいことだと思います。努力して成果を出せば出すほど報酬に反映されるのですから。
また、会社にとっても、高い生産性を生みだしてくれるビジネスパーソンがたくさんいてくれればそれだけ利益も出すことができるのでこのうえないメリットとなります。
したがって成果主義は働く側にとっても雇用する側にとってもプラスに作用します。
成果主義が導入され日本社会は良い方向に行く…!
……ときっと多くの人は思うでしょう。
確かに!
何も仕事をしないで給料だけもらう「窓際族」が淘汰されるでしょうし、モラルの高い社員が増え、セクハラやパワハラもなくなることでしょう。
成果主義最高!
と思いきや冷静に考えてみると、負の側面もあることがわかります。
成果主義になると、仕事が得意なビジネスパーソンは確かに満足度が高くなると思います。それにコンスタントに仕事で結果を出し続ければ雇用の安定も獲得できるでしょう。
しかし、その一方、仕事ができないビジネスパーソンはいとも簡単に切り捨てられるようになります。
世の中には仕事ができない、好きではないが、生活のために働いている人がいます。
ベーシックインカムなどが導入されて、働かなくても生きていける状態になれば理想的ですが、今のところそのような方向になるようなことはないです。
というか、思うんですが、日本人は社会的弱者に対してとてつもなくキツいです。
SNSを見れば、「自力で金を稼げないのはアホ!」とか「会社員はオワコン!」とか「オレは月〇〇百万稼いでいる!」というようにとにかく利己的で自己中心的な人間に満ち溢れています。
SNSだけでなく、日本全体として「利己的な社会」になっているように思えます。
そういう世の中なので、ベーシックインカムは理論上できるようになったとしてもおそらく導入されないでしょう。
ということは、社会的弱者に対する救済措置がないままに、会社に成果主義が導入されるわけです。
どうするんでしょう笑?
切り捨てられた労働者たちは一体どうすればよいのでしょうか。
その問題が議論されていないんですよね。
もし労働者を切り捨てたままだったら、きっと彼らも暴動を起こしますよ。
それか、自殺する可能性も出てくる。
いずれにせよ、「切り捨てた労働者」をどうするのかを考えないままに会社に成果主義を導入すると、負の側面が顕在化するのは間違いないです。
でも、日本はそういう点には目を向けていない。
いかにして生産性を高めるか、労働者のパフォーマンスを待遇に反映されるかしか考えていない。
いや、成果主義それ自体は悪いことではないと思います。
が、成果主義によって生じる問題を何も考えないのがヤバいんですよ。
そういう点日本ってちゃんと考えないじゃないですか。
で、一層利己的な社会にもなっている。
他人を出し抜いてでも自分だけが稼げればいい、自分だけが成功すればいい、稼げないやつは野垂れ死ね!みたいな状況になっているからかなり不安ですね。
まあ私は仕事ができようとできなかろうとのらりくらり生き抜いていくので(利己的)、関係ないですが(自己中心的)、セーフティネットはしっかりと考えていくべきだと思います。
以上!