都会↑。
養老孟司著『超バカの壁』によると、少子化と都市化には密接な関係があるそうです。
少子化と都市化、一見結びつかないように感じるけれども、確かにこの2つは対になっていますよね。
今日はなぜ少子化と都市化には密接な関係があるのかを書いていきます。
『超バカの壁』の内容をベースに。
少子化と都市化に密接な関係がある理由
なぜ少子化と都市化に関係があるのか。
それは都市化は子供を排除する現象に他ならないからです。
子供というのは言ってみれば自然です。
何も手を加えられず、ありのままの状態。
生まれたときは何も着ておらず、何も話すことができない。
一方都市は人間が脳で考えたものを具体化させたものです。
つまり手を加えまくっている。
で、この都市化というのは、自然を排除してできあがるものです。
だってそうですよね。
コンクリートジャングルは自然をぶち壊し、建設するものですよね…?
そうやって都会ができあがっていく。
自然を排除してできあがる、というのはつまり最初に戻って子供(=自然)を排除するということです。
それゆえに都市化が少子化を促す原因となっているのです。
都市化は子供らしさを潰す
都市化は自然を排除すること。したがって子供を排除することと同じであるということは既に述べました。
このことが意味するのは、子供たちにも大人のように振る舞うことを強要していることです。
都市化する社会で子供が子供らしく振る舞うということは、自然を許容することを意味します。
でも、都市にとっては自然というのは、不都合な存在です。
それゆえに都市(常識に染まった大人たち)は子供たちが子供らしく振る舞うことを良しとせずに早い段階で大人のように振る舞うことを強く要求します。
確かに都市部では、子供は大人と同じような生活を強いられていますよね。
私立の小学生たちは制服を着せられ(大人がスーツを着るのと同様に)、満員電車に乗り学校へ行き、そして学校では課題課題課題そして宿題宿題と、もう社畜と変わらないだろう!というような生活を送っていますよね。
だから都市部の子供たちは早い段階で「大人の階段」を登ることになります。
シンデレラではなく、社畜ですけどね!
子供を投資対象と考える大人たち
常識と金に染まった都市部の邪悪な大人たちは、子供たちを投資対象と考える傾向があります。
つまり、どれだけの教育コストを子供たちにつぎ込みば、日本の経済に貢献してくれるのかを計算します。
子供たちが難関の大学を出て、大企業に就いたり、国家公務員になってくれれば、それはもう、彼らの活躍で経済は良くなるでしょう。理論上はね。
(でも今の日本はオワコンですが)
現にネットを見れば、「子供を東大に合格させる方法」だとか「子供を大企業に内定させる方法」だとか、「大学ランキング」だとか「就職したいランキング」だとか低俗で下品な記事が氾濫しています。
でも、高学歴だとか、大企業というのは邪悪な大人たちが子供を投資対象とみているからの発想であって、子供たちの望みではないことは明らかです。
確かに高学歴や大企業に行くことを望む子供は一定数いますが、その一方で起業したいとか、プロ野球選手になりたいとかJリーガーになりたいとかアーティストになりたいと思っている子どもだっているわけじゃないですか。
でも、それは大人たちにとっては投資と考えるのならば非常にリスクが高い。
だからこそ、大人たちは子供たちに手招きをして、「プロ野球やサッカー選手や芸能人なんて成功する確率が低いのだからやめなさい。しっかりと勉強をして良い大学へ行き、大企業に勤めたほうが安定だよ」と言って結局都市化した大人たちと同じ道を歩ませようとします。
まとめ
子供は自然であり、都市はその自然を排除してできあがるもの。
だから、都市化が進むと、同時に少子化も進行します。
そして都市化された邪悪な大人たちは子供たちに早い段階で大人になるように強要します。
結果、子供たちを抑圧し、自分たちと同じ都市にさせようとするのです。
んまあ、都会は子育てには不向きだと思いますね。
以上です。