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【プロ野球】セ・リーグがパ・リーグに勝てないのはDH制のせいなのか?歴代データから考える。

 ここ最近プロ野球の間でセ・リーグにDH制を導入すべきか否かが議論されています。

number.bunshun.jp

 

 セ・リーグにDH制を導入すべき理由として、巨人の山口オーナーはコロナの状況下での投手負担の軽減、チームの強化、プロスポーツの真剣勝負の徹底を挙げています。

 が、早い話、日本シリーズソフトバンクホークスに圧倒的な差をつけられたので、その対抗措置というふうに見ていいでしょう。

 

 ただ、疑問に思うのは果たしてセ・リーグパ・リーグに勝てないのはDH制があるかないかという問題かということです。

 

 ということで、日本シリーズのデータなどを見てきつつ考えていきたいと思います。

 

 (これはただの野球好きのクソ野郎の考えなので、プロの専門家や選手からしたら全く見当違いの考えになっている可能性があります)

 

 

日本シリーズの歴代成績

年度別記録

 まず前提として確認しておきたいのが、パ・リーグにDH制が導入されたのは1975年だということです。

 このことを踏まえてみていきます。とりあえず1981年以降は10年スパンで見ていきます。

 参考記事は↓です。

www.nikkansports.com

 

 1975年~1980年 セ・リーグ優勝回数3回 パ・リーグ優勝回数3回

 1981年~1990年 セ・リーグ優勝回数4回 パ・リーグ優勝回数6回

 1991年~2000年 セ・リーグ優勝回数6回 パ・リーグ優勝回数4回

 2001年~2010年 セ・リーグ優勝回数4回 パ・リーグ優勝回数6回

 2011年~2020年 セ・リーグ優勝回数1回 パ・リーグ優勝回数9回

 

 書いてみるとこんな感じです。

 歴代成績で見てわかるように、実はセ・リーグパ・リーグも優勝回数に大差はないんですよね。

 もし、DH制でセ・リーグが不利になるのなら、最初から差がついているはずです。

 したがって、DHがあってもなくても大差はつかないのです。

 

 でも、2011年以降で見てみると、セ・リーグパ・リーグの成績にかなりの差が出ています。

 なぜなのでしょうか。

 

 次に2011年以降の日本シリーズについて具体的に見ていきます。

 

2011年以降の日本シリーズの勝敗

 2011年の日本シリーズの勝敗を見ていくと、

 

 2011年 中日3勝 ソフトバンク4勝

 2012年 巨人4勝 日ハム2勝

 2013年 巨人3勝 楽天4勝

 2014年 阪神1勝 ソフトバンク4勝

 2015年 ヤクルト1勝 ソフトバンク4勝

 2016年 広島2勝 ソフトバンク4勝

 2017年 DeNA2勝 ソフトバンク4勝

 2018年 広島1勝 ソフトバンク4勝 1引き分け

 2019年 巨人0勝 ソフトバンク4勝

 2020年 巨人0勝 ソフトバンク4勝

 (左はセ・リーグ、右はパ・リーグ

 

 という感じになています。

 上記の成績からわかるのは、パ・リーグの覇者がほとんどソフトバンクであること、2014年以降セ・リーグパ・リーグに対して3勝以上できていないということです。

 2019年、2020年は1勝もできていません。

 

 今まで書いてきたことからわかるのは、

 DH制が導入されたのは1975年だが、2010年あたりまではセ・リーグパ・リーグともに実力が拮抗していた

 セ・リーグパ・リーグに勝てなくなっていったのは、2014年あたりから

 ということです。

 つまり、セ・リーグパ・リーグに勝てないのはDHのせいではないということがわかります。

 

 ではセ・リーグパ・リーグに勝てなくなった原因は何なのでしょうか。

 

セ・リーグパ・リーグに勝てなくなった原因

シーズン通して活躍した選手が少ない

 まあ私はプロ野球選手ではありませんし、野球は高校で辞めましたし、レギュラーでもなかったので、こういうことを書くこと自体おこがましいのですが、プロ野球を見ていて、「セ・リーグって年間通して活躍してる選手少ないんじゃね!?」と感じました。

 

 例えば巨人の例で見てみると、ここ数年シーズン通して成績を残したのは、

 坂本勇人

 丸

 岡本

 菅野

 戸郷

 ぐらいです。パッと思いつく限りですが。

 他にも活躍した選手はいますが、突出した成績を残しているのは上記のメンバーぐらいじゃないでしょうか。

 戸郷はそこまでって感じではないですが…。

 

 一方、ソフトバンクだと、

 柳田

 中村晃

 松田(今年は活躍してないですが。しかし過去数シーズンは活躍しています)

 甲斐拓也

 周東

 栗原

 今宮(今年は活躍してないですが。それでも過去数シーズンは活躍しています)

 東浜

 和田毅

 高橋礼

 モイネロ

 森唯斗 

 千賀

 嘉弥真 

 …etc

 とシーズン通して、かつ数年間活躍している選手が多いです。

 

 セ・リーグパ・リーグの差は1つにはこのような実績ある選手がいるかいないかだと思います。

 やはり年間通して活躍していないと、日本シリーズという短期決戦であり、一番緊張感が高まる状況で力を発揮できないのではと思います。

 

 巨人は確かに補強で他球団から選手を獲得していますが、シーズン通して活躍している選手は少ないように感じます。

 巨人とソフトバンクの例なので、他の球団にも当てはまるとは思いませんが、それでも状況は似たようなものではないでしょうか。

 

 つまり、セ・リーグも実績ある選手はいるが、各球団スタメンで見てみると、そんなに多くはない。

 一方、パ・リーグは実績ある選手がスタメンに名を連ねている。

 西武なども森友哉がいたり、山川穂高がいたり、外崎がいたりと選手層があついですしね。

 

巨人の選手獲得しすぎ問題

 セ・リーグパ・リーグに勝てなくなったもう1つの理由は、巨人があまりにも他球団から選手を取りすぎたからだと私は考えます。

 ここ数年の巨人の選手獲得状況を見ると、

 2013年 大竹(広島)、片岡(西武)

 2014年 相川(ヤクルト) 金城(横浜)

 2016年 山口(横浜) 森福(ソフトバンク)、陽(日ハム)

 2017年 野上(西武)

 2018年 炭谷(西武) 丸(広島)中島(オリックス

 そして

 今年(2020年)のオフが梶谷、井納(ともに横浜)

 記憶している限りこれぐらい選手を取っています。

 

 このことによって、同一リーグ(セ・リーグ)の球団が弱体化し、セ・リーグのレベルそのものが下がっていったのではないかと私は思います。

 特に広島と横浜は結構巨人に選手を取られているので、戦力はダウンしているはず。

 

 結果として、セ・リーグでは巨人が選手を取りまくり、一方的に強くなっていったのではないかと思います。

 

 パ・リーグの選手も巨人に移籍していますが、パ・リーグだと「打倒ソフトバンク」の意識が強いこと、そしてパ・リーグ各球団の育成環境が優れていることから、そこまで大して影響は受けていないように感じます。

 

 じゃあソフトバンクはどうなのかというと、ソフトバンクは外国人は少し獲得していますが、日本人の補強って全くしていないんですよね。

 思いつく限り内川とか(もうヤクルト移籍しましたが)、和田毅とか(出戻り)それぐらいしか記憶にないです。

 だからホークスは、自前の選手を鍛えて、一流選手に育てているんですよね。

 甲斐や千賀、周東は育成出身ですし。

 

 巨人は選手を獲得しまくっておきながら、その選手たちがあまり成績を残せておらず(丸ぐらいじゃないですか)、まとまりというものができていないように感じます。

 

 つまりホークスは自前の選手を鍛えて、それで一軍の選手を育てているが、巨人は選手を鍛えるのではなく、補強で強くしようとしているので、そこが大きな差になっていると言えます。

 

まとめ

 セ・リーグパ・リーグに勝てないのはDHのせいだ!!!!みたいな議論になっていますが、そうではなく、シーズン通して活躍している選手が少なかったり、巨人が選手を取りまくったりとDH以外に理由があるのです。

 

 DH導入の前にセ・リーグが抱える問題を解決していったほうがいいと思います。

 

 以上です。