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【読書】『英語独習法』③ー英語学習は大人になってからでは遅いのか?


 英語学習に限ったことではないですが、外国語を学ぶことにおいては子供の時の方が良いとされています。幼少の頃というのは好奇心旺盛であり、かつ様々な知識を吸収できるので外国語を学ぶには最高だからであると。

 

 一方大人になってからだと社会の荒波に揉まれ(!?)、好奇心がなくなってしまう。また知識量もある程度たまっていて新しいことを学ぶにはあまり適していないという謎の言説があります。

 

 結論から言うと、英語学習は大人になってから始めても遅くないと言えます。なぜなら、大人は知識や経験量が多く、話の内容を深く理解できる能力を持っているから。

 

 例えば大人が今中学レベルの英語のテキストを読んだとしましょう(今の中学英語はかなり難しくなっているが)。おそらく英語それ自体の知識がなくても内容自体は理解できるでしょう。自己紹介とか趣味の話など大人にしてみれば抽象度が低いものばかりなので書かれている英語の単語や文法が完全にはわからなくても全体の内容は理解できるはず。

 

 自分の得意分野に関する話題も英語がよくわからなくても内容を理解できるのではないでしょうか。野球が好きな人ならばMLBの実況を聞くとまあなんとなくわかるでしょう。

 

 以上のことから、大人は人生における知識量や経験値が豊富なことから内容を理解する力があると言えます。それゆえ、あとは自分に足りていない英語の知識を身につけることで飛躍的に英語力を高めることができます。

 

 「でもぉ、英語の音を聴き取る能力はぁ子供の時の方が高いんじゃね?lとrの聴き取りとかぁさぁ」(唐突にチャラ男)と疑問を抱く人もいるでしょう。

 

 確かに音を聴きとる能力は幼少の時のほうが高いと言えます。『英語独習法』の著者今井むつみ氏は以下のように述べています。

 

じつは、世界中の赤ちゃんは、生まれてすぐは、すべての言語で区別される音をもれなく区別することができる(聴覚障害などがない限り)。そこから、自分の母語の音素を探索し、音素のレパートリーを作っていく。

英語の場合には、r,lは異なる音素であり、この二つの音の聴き分けができないと、race/lace, rice/liceなどの単語の区別がつかない。だから、英語を母語とする赤ちゃんは、(もともと区別できた)rとlの区別を保持し、さらに敏感に注意を向けることを学習する。

『英語独習法』p.132

 

 上記の記述から、音を聴きとる能力は成人期よりも幼少期の方が高いと言えます。しかし、音を聴きとる能力はじめ、あらゆる言語を学ぶ能力は脳のキャパシティの効率性からよくありません。つまり日本語、英語、フランス語、アラビア語などを同時並行に学んでいたら、母語の習得に時間がかかってしまいます。逆に日本語(日本語を母語とした場合)のみを学ぶのであれば、効率よく学習することができます。それゆえ、大人になるにつれて、母語以外の言語を学ぶ能力は衰えていくのです。

 

 要は音を聴きとる能力や知識を覚える力は幼少期の方が高いですが、会話や文章の内容を理解する力は大人のほうが高いと言えます。また、既に述べましたが人生の経験値や知識量も大人のほうが高いので、やはり内容を理解する力が高い。

 

 言語において重要なのは内容を理解する力なので、既にその能力が備わっている大人は英語学習に適していると言えます(英語だけではないですが)。

 

 実際、50歳、60歳から英語学習を始めTOEIC900点や英検1級を取った人も多数いるので、英語学習を始めるのに年齢はあまり不利にはならないでしょう。

 

 英語学習を始めるのに遅すぎるということはありません。今まで全く英語を勉強してこなかった人も「中学高校の時は全くダメでそこから全く…」という人も今学習し直すと理解できる可能性大です。

 

 年齢で諦めるのは人生圧倒的損です。

 

 

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