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【読書】『論理的思考のコアスキル』③ー短期集中300時間学習のススメ


 ある分野を極めたいと思ったとしましょう。英語やプログラミング、簿記など人によって能力を向上させたい分野は異なりますが、そういった場合、「1万時間の法則」という言葉があるように、1万時間の学習をすることが望ましいと考えられています。

 

 しかし、1万時間学習することは多くの人にとってかなりハードルが高いでしょう。仮に1日5時間365日フル稼働したとしても5、6年ぐらいかかります。1日1時間だとさらに年数がかかり、もはや勉強すること自体が馬鹿らしくなってしまいます。

 

 では興味のある学習分野を極めるのは諦めるべきなのか?と思うかもしれませんが、諦める必要はありません。1万時間が無理な場合はまず300時間の学習時間を投下することをおすすめします。

 

 『論理的思考のコアスキル』の著者波頭亮氏は以下のように述べています。

 

その場合(1万時間の学習が難しい場合)であれば、トータルで1000時間程度の取り組みが必要であるというのが、筆者のこれまでの経験からの実感値である。しかし1000時間という総量は、1万時間の10分の1でしかないとは言っても、仕事をしながらの取り組みではなかなかハードルが高いという方が少なくないというのもよく分かる。1日1時間では毎日取り組んでも丸3年かかる計算だ。(後略)

そうした方は、まずは300時間取り組むことを最初の目標とすると良い。

このようなスキル習得における成長は連続的ではなく、しばらく成長が停滞したかと思っていたら、ある時ふっと上昇するタイミングが来るものである。テニスでもゴルフでも、英会話でもピアノでも、同様の話はそれぞれの分野のコーチの方々からよく聞く。そしてこの上昇のタイミングが訪れる目安が、およそ300時間なのだ。

『論理的思考のコアスキル』p.210

 

 300時間であれば1日1時間勉強したならば、だいたい10か月前後ぐらいで達成できます(1か月30時間×10か月=300時間)。頑張って1日3時間を継続したら4か月前後ぐらいでしょうか。

 

 4か月から10か月ならば現実的に継続できそうな期間ですし、もしそれで実力が上がっていると感じたならば、さらに600時間、1000時間と続けられるはずです。

 

 波頭氏は300時間の学習時間投入に加え、短期間で集中的に勉強することを推奨しています。

 

この時気をつけなければいけないのが、同じ時間数であっても、どれだけの期間内に取り組むのか、すなわち練習密度によって、到達できる水準が異なってくるということである。テニスやゴルフでも、時間が空いた時に無理なく少しずつ練習するスタイルよりも、短期間で集中して取り組んだ方が効率よく習得できるのと同様に、論理的思考力を体(頭)に覚えこませるためには、取り組みの絶対量だけでなく、密度も非常に重要である。

同上 p.211

 

 「短期集中で詰め込むのは良くない。すぐに忘れてしまう」という批判がたまにありますが、むしろ短期集中で勉強したほうが、知識や身体の基礎体力がつくので理にかなっているんですよね。

 

 幼少の頃、補助輪なしで自転車を運転する練習をした経験がある人は多いと思いますが、チンタラチンタラ5年も10年もかけた人は皆無でしょう。だいたい1週間から3週間、長くても2か月かかるかかからないかぐらいで身についたのではないでしょうか。

 

 おそらく英会話でもいったん短期集中で100時間×3か月ぐらい実践すれば基本的な会話はできるようになる気がするのですが、それを実践しない学校教育の英語よ…。

 

 もしあなたが何かの分野で一定水準レベルに達したいのなら、まずは短期集中で300時間学習することが望ましいです。

 

 「短期集中」で300時間の時間を投入するのは人によっては難しいかもしれません。会社の通勤時間や労働時間が長い、飲み会や婚活(?)が忙しいなどの理由で勉強時間を確保することができないという人もいるでしょう。それでも「将来の投資」と考えれば、300時間の学習は大きな価値があります(その後も勉強は継続しなけれいけないが)。

 

 まずは300時間を目標に自分の極めたいことに集中してみましょう。

 

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