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【読書】『音読で外国語が話せるようになる科学』①ー音読は外国語の知識獲得に役に立つ


 音読によって言語能力が向上するとは現代において通説になっています。特に外国語に関する入試や資格試験などにおいては必ず音読をするように推奨されています。昔のように黙って文法を勉強し、長文を読むというスタイルは絶滅しつつあります。

 

 では音読は具体的にどのような効果があるのでしょうか。その一つに外国語の知識獲得が容易になります。

 

 『音読で外国語が話せるようになる科学』という本には以下のように書かれています。

 

発音の高速化が音韻ループの保持に、さらには長期記憶への情報転送に直接関わる重要な要因なのです。このサブボーカルリハーサルを鍛えるのが、音読トレーニングのプラクティス効果で、それにより外国語の語彙・構文などの内在化・自動化を促進することが可能になるのです。

『音読で外国語が話せるようになる科学』p.65

 

  音韻ループとは言語音声を保持しつつ処理する仕組みのこと。インプットした音声をそのまま保存する「音韻性短期貯蔵」と目で見で取り組んだ文字言語を音声化(音韻符号化)して、能動的に繰り返す「サブボーカルリハーサル」で構成されている。(『音読で外国語が話せるようになる科学』p.64)。

 

 例えば、

 I'm really tied up today.

 という英文があったとします。日常的に音読をしていない状態だと、上記英文を読む速度、理解する速度はかなり遅くなります。おそらく「アイム リアリイ タイ…ドゥ(読めねぇ)アップ トゥデイ」みたいに日本語的な読み方になってしまうでしょう。書かれている英文も英語のまま理解できない。

 

 そのような状態になると英文は記憶することが難しくなります。

 

 しかし、外国語学習に音読を組み込んでいる場合、"I'm really tied up today."はそのまま"I'm really tied up today."として理解できます。要するに英語を英語のまま理解できるし、黙読でも音読でも読む際にストレスがかからない。だから音読していない状態よりも覚えやすくなる。

 

 音読学習を繰り返すと、音韻ループの機能が高まり、外国語の知識を多く吸収することができるようになるのです。

 

音読にも、シャドーイングと同様の「プラクティス効果」があります。このことは、これまでの研究でわかっています。すなわち、音読による、文字言語の音韻符号化、発音(発声)を通じて、知識として定着させる「精緻化リハーサル」が高速化し、さらに音読を繰り返し実行することで、新たに覚えた単語、構文、文法などを実際に使いこなすための自動性を身につけることができるのです。

同上 p.67

 

 まあ早い話、音読によって身につけた外国語の知識は地となり、肉となり(!?)、外国語の運用能力が飛躍的に高まるということです。

 

 音読を取り入れない勉強だと、ただ字面を追っていくだけの作業になってしまうので、学習効果は極めて低いと言えるでしょう。

 

 言語学習において音読は必要不可欠です。「音読とか一体何のメリットがあるんですかぁ?」みたいなことを言う暇があったらつべこべ言わすに実践すべし。

 

www.penserblog.net

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