「ラテン語はなんとなく難しそうな印象がある…」という考えを持っている人は多いのではないでしょうか。実際ラテン語は難しい。私もラテン語を勉強していますが、覚える量が多くて大変だと感じます。
そう、覚える量が多い!
ラテン語は覚える量が多いのです。と言っても語彙の数が他の言語に比べ特段に多いというわけではなく、名詞がめちゃくちゃ格変化しまくり、この格変化を覚える段階で多くの人はラテン語学習に挫折してしまう印象があります。
例えばpuellaという単語。読み方は「puella」、意味は少女。puellaの格変化を表すと、
主格(呼格) puella puellae
属格 puellae puellarum
与格 puellae puellis
対格 puellam puellas
奪格 puella puellis
という感じになります(長母音の記号は省略)。
英語だと名詞の形を変化させる時は複数形の場合、とりあえずsをつければだいたいはどうにかなるし(ならない)、ヨーロッパの言語も変化もパターンは少ないです。
で、ラテン語。上記の格変化を見ると、「は!?どんだけ変化すんだよ!うぜぇ!」とあなたはムカついているかもしれません。
でもそのような感情を抱くのは自然なことであり、「こんなに格変化があるんだ!素晴らしい!」と感動する方がむしろ狂っています。
では最初から格変化のパターンをすべて覚えていかなければならないのか?と言われればそうではありません。少しずつ覚えていけば自然と覚えていくことができると思います。
どういうことかと言うと、まずは主格と与格と対格を覚える。それから他の格も覚えるようにしていけば拒否反応をあまり起こさずに記憶していけるでしょう。
主格とは主語と述語になる格です。与格が英語で言う間接目的語で、対格が直接目的語。この3つの格(単数複数の形があるので6つだが)を覚えれば英語で言う基本5文型ができます。
先ほど例に挙げたpuellaで文を作ると、
少女は行く
Puella it
(主格・単数)
(itはgo)
少女は先生です
Puella est magistra
(主格・単数)
(magisterは先生。estはbe動詞)
私は少女を愛する
Amo puellam
(対格・単数)
(amoはI love)
私は少女にバラを与える
Rosam puellae do
(与格・単数)
(Rosamはバラ。doは与える)
puella以外の単語はなんのこっちゃわからないかもしれませんが、とりあえず主格・与格・対格を覚えていれば基本五文型が作れるということはなんとなくわかったのではないでしょうか。
もちろん、動詞の活用も覚えていかなければなりませんが、最初に覚えるべき知識を絞ればラテン語は勉強しやすくなると思います。
主格・与格・対格を覚えた後に属格や奪格、呼格などを覚えていけばラテン語の文は理解しやすくなるでしょう。
まとめるとラテン語が難しい理由は覚えるべき格変化の知識量が多いから。でも、最初に覚えるべき知識を絞れば挫折するリスクは低くなります。