重要なのは3つ以上あるのだが、とりわけ重要だと私が感じた点を書いていく。この本を読んだら、私たちの財布の中に入っているサツタバがただの紙切れにすぎないという事実に気づくだろう。
また、私たちが一般的に良いと思っていることは実はそうではないことにも気づく。
では本題に入ろう
1.お金=信用×コミュニケーション×投資
本書の中で堀江氏が一貫して主張していることである。お金は信用との対価であり、それはコミュニケーション力を生かし、積極的に信用というものを投資していくことで積み上げられていく。
例えばあなたが社会人なら、仕事ができるようになる→会社から信用を得る→結果としてよりレベルの高い仕事をこなすことによりお金が自然と増えていくということを言う。
もちろんただ単に仕事ができるだけでは信用されない。周囲とコミュニケーションを取り人間関係を円滑にしていかなければ、仕事を任されることはないし、信用されることはない。
努力をし仕事をこなし、コミュニケーションを取り信用を勝ち取っていく、この流れがうまくいくことによってあなたはお金を稼ぐことができるようになるのだ。
投資というのは周囲の人と飲みに行ったりして良好な関係を築くことを指す。他には自分ができて、相手ができないことをやってあげたりすることも投資の例である。
そう考えると私たちが持っている紙幣や硬貨それ自体には意味がないのである。
お金は信用を数値化したものにすぎないのだ。
しかしこの信用を巧みに利用しお金を手に入れる人間も一定数存在する。それが詐欺師や政治家(一部)や官僚(一部)などである。
テレビやネットのニュースを見て不思議に思う人もいるだろう。「なぜ彼らに巨額の金が集まるのか?」と。彼らは国民の信用を獲得するどころかむしろ信用を失わせるようなことばかりする。
それなのにどうして、と感じる人もいるだろう。これは信用を巧みに利用した結果なのである。詐欺師とやっていることは同じである。つまり一時的に響きの良い言葉を並べ国民の信用を得、ひとたび信用を得たら本性を丸出しにするのだ。
このように信用は時に悪用されることもあるので注意が必要である。
ただあなたが善人であるなら、お金=信用×コミュニケーション×投資を行っていけば人生は必然的に豊かになっていくだろう。
世間は学歴フィルターなどと騒いでいるが、お金を得る、社会的な信用を得るために必要なのは学歴とは限らないのだ。
2.住宅ローンを組むことの危険性
「夢のマイホーム」を夢見て働いている人は多いと思う。テレビで流れるマイホームのコマーシャルは見ていて魅力的である。
確かに賃貸マンションでずっと生きていくよりは、新築のマイホームで暮らした方が見栄えはいい。
だが、マイホームを購入することのリスクを考える人はあまりいない。
単純に新築戸建てを購入するとなると、基本的には長期的なローンを組むことになる。だいたい35年ローンが多いだろう。
しかし仮に35年ローンを組んだとして、35年間何のリスクもなく平穏に支払っていくことはできるだろうか。もしその間に努めている会社が倒産したりして収入がゼロになったらどうするのだろう。
決して他人事ではないはずである。むしろ現代はそういう時代ではないか。いつまでも安泰が保証されているわけではないのだ。
それに加えて日本は地震大国である。いつ地震で住宅が倒壊するかもわからない。
「地震保険を適用すればいい」という人いるだろう。確かに地方ならそうすればいいが、都会ではそうはいかない。
なぜか。都会に戸建てを持って地震保険に加入したとしよう。加入したとしても都会で地震が起きた時の被害範囲があまりにも広すぎるため、保険会社自体がその保険を払えないという事態が生じる。債務不履行である。
そうなったらあなたが保険にかけた金はパーになり、住宅もろとも倒壊し、全てを失うことになる。
ゆえに住宅ローンを組むことのリスクの高さ、保険の効力がなくなることのリスクを考えると「夢のマイホーム戸建て」というのは人生の買い物としてはあまりにも割に合わなさすぎるのだ。
3.貯金=美徳、借金=悪とは限らない
私たちは幼いころから貯金することを良しとされ、借金をするのは悪しきことだと教えられてきた。
確かに無計画に金を使いまくり、借金をしてしまうことは良いことではない。
しかし、ただ言われた通りにコツコツ貯金をしていれば良いかと言うとそうではない。一方ある目的を持って借金をするなら、それが悪いことだとは言えない。
堀江氏が一貫して主張していることはお金=信用×コミュニケーション×投資である。
そうだとしたらむやみにお金を貯めようと他者との関わりを避ける、自己投資に金を使わずにケチるというようなことをしたらどうなるだろうか。
それは「信用の機会損失」になり、逆に金が増えないのである。「金は天下の回りもの」という言葉があるが、金は使ってこそ増える。
「地道に真面目にコツコツ」。私も含め多くの人がこのようなことを教えられてきたと思うが、実はそれではお金が入っていかないのだ。
重要なのは持っている金を使い、いかにして信用を得るかを考えることである。
そう考えると借金をすることは必ずしも悪いことではないことがわかるだろう。
そもそも金を借りることができるというのは(悪質な消費者金融は別にして)、あなたは信用されているということである。あなたが1000万を借金したならそれぐらいの信用があるということであり、5000万の借金をしたなら同様にそれぐらいの信用があるとということである。
その借金を使い、結果として自分の手がけた事業が軌道に乗れば、その借金は正しかったということになる。
だが、明らかに身の丈に合わない借金をすることは賢明な行為ではない。先述した住宅ローンのようにあまりにも不確実でリスクの高いものに借金をするのはリターンの可能性がかなり低い。
ゆえに明確なビジョンを持ち、「賢明な」借金をするなら、それは正しい判断なのである。
私たちはどうもお金の本質を誤っているようである。貯金は美徳ではないし、やみくもに残業をしまくって社畜になってもお金というのは対して増えないし、信用に担保されていない金というのは非常に脆弱なのだ。