物事を進めるうえで効率や合理性を考えることは普通であるように思える。受験や資格取得、仕事も効率性、合理性がないとスムーズに事を進めることができない。
何事も非効率に行っていてはあっという間に時間を浪費してしまう。
したがって効率や合理性の追求は現代では非常に重要である。
しかし、効率や合理性にネガティヴな印象を抱く人もいる。どのようなネガティヴイメージなのか。
一般的に考えられるのは、「情」がなくなってしまうことだろう。どういうことなのか端的に言うと、人が冷静な態度をとるあまり、他者に対しても冷静で感情のない振る舞いをしてしまうということだ。
特に組織に(会社とか公務員など)おいては仕事はとっとと終わらせて上司や同僚と飲みにいかないで帰るというのがありがちな例かもしれない。
ただこういう姿勢をとることで不必要な残業をする必要がなくなるというメリットはあるが。
今回は組織の人間との関わりで例をあげたがもっと多く効率や合理性に対するマイナスイメージはあるだろう。
自分のことに集中し他者に関心がいかなくなってしまうとか。
すでに述べた上司や同僚との関わりでも人間関係が希薄になるというのが多くの人の考える例ではないか。(そういう限りでもないという考えの人ももちろんいるが)
おそらく戦後からバブルあたりでは効率や合理性などはほとんど考えられなかったかもしれない。
それは会社自体が実質終身雇用制みたいなところがあったので労働者もそういうことは考えず生きていけた部分はあっただろう。
その結果、組織に自分の人生を委ね組織の人とも友好的に付き合っていたことだと思う。
このような環境で生きてきた人は、効率や合理性でもモノを考える若い人に違和感を感じる人もいるだろう。
そして仕事を早い段階で終え、帰宅する姿勢になにか顰蹙じみた思いが生まれる。(私は戦後からバブルの時代に生きてないので違ってたらすいません)
こういう歴史的背景からも、というかこういう歴史的背景から効率や合理性を追求することに肯定的考え、否定的考えが生まれているといってもいいだろう。
ただ、歴史的背景も当然だが、時代を取り巻く状況が違うとも言える。現代においてはITの普及などで生活そのものが劇的に変わっていった。
仕事面ではAIの普及で業務の効率化が図られ、コミュニケーションではメールやLINE、ツイッター、facebookなど様々なツールが生まれた。
その結果、既存の組織でなくても自分のコミュニティを得ることができるようになった。
と、考えるとどうだろう。そもそも仕事関係の人とわざわざ飲みにいって親睦なんか深めなくても自分の所属するコミュニティで仲の良い人と関係を築けるのだ。
このように効率や合理性を考えることは人間関係の変化の知ることができるから面白い。
私の立場を述べると、効率や合理性を追求することは素晴らしいと思う。
今まで述べてきた人間関係的なこととは話題が逸れるが、これらを追求することは絶えず頭を使わなければならない。
何も考えずに効率や合理性を求めるのは不可能である。したがって、少し大げさかもしれないが、効率や合理性の追求は人類の叡智の積み重ねであると思う。
まさかテレビのリモコンを操作するときや電子レンジを使うときにいちいちどういう理屈でそうなっているかを考えて使う人はあまりいないだろう。
もちろんそれらの構造に興味を持つ人もいると思うが、理屈がわからないと使えないということはない。
ただこうしたことが可能になるまでたくさんの試行錯誤をし、失敗してきたことだろう。
そう考えると、効率や合理性を追求することは多くの無駄や失敗を繰り返しもある意味必要だということがわかる。
そのようなことを積み重ねることによってはじめて効率や合理性が生まれる。無駄や非効率は後に便利になるための手段であるのだ。
ゆえに無駄や非効率からわかることを分析していく必要がある。
私はこういう作業が好きで、しかもそれで便利になることを望んでいるから効率や合理性を追求することに肯定的なのだ。
では効率や合理性によって人間関係はどうなっていくのか。
すでに述べたが、組織の人間と関わらないことで人間関係が希薄になるのでは、という考えがある。
また、多様なSNSツールによって特定の人間としか関わらなくなっていくのではないかという考えもある。
私はそれでもあまり問題がないと考える。現代はとにかくストレスが多い。もしかしたら会社あるいは学校で人間関係によるやりづらさを感じる人も一定以上いるだろう。
昔はそれで泣き寝入りするしかなかった。
コミュニティが今いる場所しかないのでアイデンティティが揺らぐこともあっただろう。
しかし、SNSの普及などで自分の居場所を見つけることが可能になった。効率や合理性について話が逸れてしまったが、まあ柔軟に生きられるようになったことは間違いないだろう。
あまり良い表現だが人間関係も最適化することは重要だといえる。
以上が今回のタイトルでもある効率化についての考えである。
参考になるかわからないが堀江貴文氏の本はこの問題を問題を考えるヒントになると思う。