「会社を短期離職するとあなたのキャリアに傷がつきます」
ということを言われた人は少なくないと思う。
あなたも就職のエージェントの人にもしかしたら言われたかもしれない。
いや、別にそういうことを言われてなくても暗黙のうちにそのことはわかっているだろう。
会社を短期離職すれば転職とかでも影響が出る。なぜならそういう人を雇ったところでまた短期離職をする可能性が高いからだ。
会社から見れば短期離職をした人を取ることはある意味リスクである。
そんな私ももしかしたらまた辞めるかもしれません。
短期離職をするともちろん本人にとっても悪影響が出る。キャリアを積めないままにさまようことになるので、就職を考えるならマイナスに作用する。
そう考えると「あなたのキャリアに傷がつきます!」という発言は正しいように思える。
しかしだ。これはあくまでも会社で生きて行くことを想定した場合に不利になるに過ぎない。
人生というスケールで考えてみると、「あなたのキャリアに傷がつきます!」という考えは全く意味をなさない。
なぜなら人生はあまりにも不確定要素が多すぎるからだ。人生は何が起きるかわからない。
もしかしたら宝くじが当たり一生働かなくてもいい人生を送るかもしれない。
株で当たれば働く必要がないくらいの金を手に入れることができるだろう。
これらの例は極端だが、可能性はゼロではない(それに期待するのはよくないが)。
もしかしたら、大ブルジョアジーと結婚して労働とは無縁の生活をするかもしれない。
インスタをやりまくっていたら(私はやっていない)、芸能関係者の目にとまり芸能入りするかもしれない。
何が言えるかというと、人生なんて生きていればどうにでもなるということだ。
そらそうだ。生きていて何も起こらないはずがない。何かしら人生の分岐点となることがどこかのタイミングで起こる。
もし「あなたのキャリアに傷をつけ」てもう人生オワコンなら、オワコンな人で世の中溢れかえっているはずだ。
仮にキャリアに傷をつける短期離職をしたとしても、それを繰り返したとしてもあなたは人生それでオワコンになるだんてあり得ない。
いや、むしろそのことによって新たな人生が拓かれるかもしれない。自分の好きなことに没頭しまくり、結果その才能が花開き、誰かの目にとまり、それで食っていけるようになる可能性だって十分にある。
「激レアさんを連れてきた。」という番組を見てそのようなことを思った。
この番組は普通の人が経験しないような人生を送った(ている)人をクローズアップする番組なのだが、彼ら彼女らの中でまともな会社員生活をした人はほとんどいない。
ある普通の主婦が映画作りをした結果、世界的評価を受けた人や口笛を極めまくり世界チャンピオンになった人など様々な人がこれまで紹介されてきた。
このことからわかるのはやはり人生の不確実性である。
別に組織に帰属する人生を送らなくても、人生オワコンになることはない。
むしろ、組織に所属し続ける方が人生の不確実要素がなくなり、大きな成功を収める可能性は低くなる。
会社や公務員の生活を送るとだいたい人生予測可能な日々を送ることになる。
何の仕事をやり、どういう人間と関わるのかなど。そして生活自体もだいたい固定されるのでイノベーションを起こそうにも起こせない。
組織に所属して見える希望はせいぜい出世やボーナスだけである。
安定した生活は確かに確保できるが、自分の満足いく人生をおくれるかは定かではない。
むしろそういう人生の方がリスクなんじゃいか!?
「あなたのキャリアに傷がつきます」
もっともらしい発言ではあるが、それはあくまでも「会社員や公務員人生を送る場合には」という但し書きがあることを忘れてはいけない。