Sakuはゆるく生きる

外国語系の記事が多くなりそうです。

全ての高校生が大学に進学するわけではない

 全ての高校生が大学に進学するわけではないのはあまりにもわかりきった事実である。昔に比べれば、大学への進学率は高くなっているとはいえ、それでも大学へ進学しない人は多くいる。

 

 それなのにやたらと大学受験や「大学生に人気のある企業のランキング」みたいなのがあまりにも多くないか。

 

 確かに記事の需要を考えれば、大学生系の記事が多くなるのは仕方がないとは思う。それにしても多すぎではないか。まるで高校から就職するのは超少数派のような印象を受けてしまう。

 

 私たちは無意識の内に、大学へ進学し就職するのが当たり前だという考えに支配されている。

 

 

 

高校→就職の生徒たちには無縁の大学入試改革

 日本では今、大学入試の改革が進んでいる。どうやら2020年に現行の入試システムから新たな入試システムに変わるらしい。

 

 もちろんそれによって最大の被害を食らうのは高校の教師及び受験生である、というのは前の記事で述べた。

 

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 一部の人間たちによる無邪気で乱暴なわがままの結果、受験生は翻弄されるのである。

 

 だが、ここで重要な問題なのは、大学受験をしないで就職する高校生の立場が完全に無視されているということだ。就職を希望する生徒にとって大学入試の改革など全く関係のない話である。

 

 それにも関わらず、大学入試の改革が、日本の教育の改革のように謳われることには違和感を感じずにはいられない。そもそも日本の教育って受験をする人しか得しないようにできてるんじゃないか

 

 

 確かに受験勉強によって努力が報われることは悪いことではない。だが、やたら受験受験で、進学をしない人が全くスポットを当てられないのは良いことではない。

 

 なぜ世間は大学進学が当たり前かのような世論を形成するのだろう。

 

大学に行きたくないのに進学する必要はあるか

 大学に進学したい気持ちがあるわけでもないのに、無理に進学する必要があるのだろうか。大学は学費が高い。1年間に100万以上はかかる。それを4年続けるのだ。家計はバカにならないだろう。

 

 何より本人のモチベーションである。4年もあるのだ。その4年をモチベーションが低いままに過ごしていたら、時間の損失は計り知れない。やりたくもない勉強を無理にやるとか拷問以外の何物でもない。

 

 そう考えると親にとっても子供にとっても行きたくもないのに進学することは良い判断とは言えないのである。当たり前と言えば当たり前なんだが、世の中が大学進学することを当然とみなす風潮を作り出しているため、その流れに抗うことができないのだ。

 

 大学進学や入試の改革の狂想曲を奏でるのではなく、そもそも大学に進学する必要があるのか、ということを考えたほうがよいのではないか

 

 

 確かに大卒か高卒かでその後の給料や社会的地位などに差は出てしまうが、それでも進学したくもないのに進学する必要があるのか、という根本的な問題を考えなければならない。

 

 それに今はネットなどでも収入を得られるし、ビジネスをすることだってできる。なので学歴がそこまで不利に働くとは考えにくい。

 

大学の無償化に意味はあるか

 そうやって進学したいという気持ちもない高校生がいるのに、大学の教育を無償化することは果たして適切な行為なのだろうか。

 

 日本ではそのような動きが進められている。確かに経済的に困難で、進学意欲のある高校生には福音なのかもしれない。しかし、全体で見てみればたいして効果はないように思える。それどころかマイナスにすらなりかねないと私は思える。

 

 進学したくもない高校生を教育費無償の下で進学させたらどうなるか。そうしたら、大学も彼らを受け入れなくてはならない。それだけでもダメージは大きい。なぜ学習意欲もない学生の面倒を見なければならないのか。大学側としてはそのような気持ちを抱くだろう。

 

 一方、学生にとってもなんで勉強をしたくもないのに進学させられてこんなことをさせられるのかという怒りが生じるだろう。

 

 双方にとって良好な関係が築けないのである。というか現にこういうことが起こっているのではないか。深く突っ込むと偏差値とかの話になってしまうので突っ込まないが。

 

 だとしたらやるべきことは大学の教育費の無償化ではなく、法外なほど高い学費の見直し及び経済的状況により学習意欲のある学生に対する援助なのではないか。

 

 そして大学進学=当たり前のような世論を改めるべきである。もちろんマスコミがそんなことをするはずはないが。