英文を音読する際、効果的に行う方法は何なのか?という問題を考えた場合、「なりきり音読」が良いと『音読で外国語が話せるようになる科学』では述べられています。
「なりきり音読」とは劇やドラマ、映画の登場人物に自分自身がなりきってテキストを音読をすること。
「なりきり」音読を実践することで、ただテキストを音読するよりもスピーキング力が高まるそうです。
高校生を対象に、通常の音読練習のみを行った統制群と、なりきり音読を行った実験群に分けました。そして、音読のあとにはテキストの内容を理解していないと解答できないような質問に答えるタスクも用意されていました。(後略)
その結果、統制群と実験群の事前・事後の結果は、統制群よりも実験群の総合評価のほうがはるかに高くなりました。
普通に音読トレーニングをするよりも、内容を自分が話しているかのような音読のトレーニングをすることで、スピーキング能力の向上に確実に貢献することがわかったのです。
『音読で外国語が話せるようになる科学』p136-137
これは私の考えですが、「なりきり音読」によって文章に感情が伴い、記憶の定着率が高くなったこと、また文ではなく文章単位で英文を大量に記憶したことでスピーキング力の向上に役立ったのではないかと思います。
外国語に限らずですが、学習においては感情が伴っている方が記憶の定着率が高くなります。
覚える量も文章単位で記憶した方が大量の情報をインプットすることができる。そういう意味では「なりきり音読」は理にかなった音読方法なのではないでしょうか。
それゆえに音読をする際はできる限り、感情が伴うテキストやスクリプトを使用したほうがいいでしょう。
とは言っても普段、英語のドラマや劇、映画などを見ない人にとってはどの教材を使えばいいのかわからないかもしれません。
そういう時は、TEDをおすすめします。
TEDとは世界の著名人が自身の専門分野について一定時間スピーチをするコンテンツです。
時間は10分から20分程度と言ったところでしょうか。ビジネスや健康、教育、テクノロジーなど様々なジャンルがあるので、興味あるコンテンツが複数見つかると思います。
興味のあるコンテンツが見つかったら、それを聴きまくり、スピーチをしている人になりきり、英文を完璧に覚えてしまいましょう。
英文を完璧に覚えるのは難しいと思うかもしれませんが、好きなテーマだと頭に入りやすいので、意外とすんなり覚えられるかもしれませんよ。
音読はリアリティがある方が効果を発揮します。「なりきり音読」を通して実際の会話に近い状況で話すことでスピーキング力が高くなります。
加えて文法や単語の知識なども同時に覚えられるので総合的な英語力をつけることができるでしょう。
まとめると、スピーキング力(というか英語力全般)をつけたければ「なりきり音読」を実践すべし!ということです。