一般的に英語と日本語は言語間の距離が離れていると言われています。発音や言語の文法構造、その他さまざまな要素が英語と日本語との間で隔たりがあると。
その影響で日本人は英語の習得が困難になっていると言われています。それゆえ義務教育での英語学習はだいたいが無駄に終わり、学生の身分を卒業する頃にはまったく不要なものとなってしまっています。
「だったら、英語なんて学習しないほうが良くねぇ?」ともしかしたらあなたは思っているかもしれません。
勉強しても習得が難しい、しかも日本国内で生きるならば英語ができなくても困ることはありません。もう英語なんて勉強する意味なんてねぇ!という結論になりますよね。
たしかに実用性を考えるならば、英語はあまり役立たないかもしれません。しかし、言語間の距離が離れている言語を学習することで認知症になりにくくなるというメリットがあります。
その理由は母語と離れている言語を学習すると脳に負荷がかかり、結果脳の様々な領域が活性化するからだそうです。
カナダにおける英語とフランス語のような近い言語のバイリンガルでも、負担の大きな処理を常に行うということで、認知症の発症が遅れます。ましてや、英語と日本語は、その何倍も距離がありますが、裏を返せば、それだけ離れた英語を使うことの認知的負担が極めて大きいことが予想できます。このような認知的にチャレンジングな状態を日本人英語学習者は、英語を使うときに体験していることになります。そうすると、どのような結果を生み出すと考えますか?そうです、さらに認知症の発症が遅くなることも予想できるのです。
『音読で外国語が話せるようになる科学』p.119-120
詳しくは本記事で紹介した本に詳しく書かれていますが、母語との距離が離れている言語を学習することで脳に負荷がかかり認知症に進行を遅くする、あるいはなりにくくなるのです。
英語でそうなのですから、フランス語とかスペイン語、アラビア語など日本語と言語間の距離が離れている言語を学習すると死ぬまで認知症にならずにすむかもしれません(言語学習以外の問題でもしかしたら認知症になってしまう可能性はあるかもしれませんが)。
実際、バイリンガル、マルチリンガルの人で認知症になっていたりボケてしまっている例はあまり聞きません。彼らの思考は常にシャープな印象があります。
英語を学習することで認知症予防になるということを考えると、言語を学習するという行為は人生において重要なものであると言えるでしょう。
実用性を考えるならば、日本国内で生き続けることを想定した場合、必ずしも役に立つとは限りませんが、脳の認知機能を高めたり、認知症予防につながるという点では有益であることに間違いありません。
まとめると、母語との距離が離れている言語を学習するほど認知症になりにくい!ということです。
言語学習を通して、アンチエイジング(!?)をしていきましょう。