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【読書】苫米地英人著『思考停止という病』|日本人が思考停止になる3つの理由

 苫米地英人著『思考停止という病』

 

 日本人はわりと思考停止だとよく言われますが、なぜ思考停止に陥るのかについて詳しく書かれています。

 もちろんそれだけでなく、思考停止にならないための方法も書かれていますね。

 

 今日、書くのは本著で書かれていた日本人が思考停止になってしまう理由です。それには3つの理由があります。

 

 

 

日本人が思考停止になる理由

1.前例主義に則る

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 日本人が思考停止に陥ってしまう最初の理由は、何かを行う際、前例主義に則るからです。

 日本の会社って何かを行う時、必ずと言っていいほど過去の成功例に固執する傾向がありますよね?

 特に老舗の大企業だとか。

 

 前例に則って物事を決断することは、確かに迅速に実行できるという点では優れていますが、そこに思考するという行為が入り込まない以上、創造性が生まれません

 それに過去の成功例を当てはめたところでそれが成功するとは限らない。

 一定の成功は収めることができるかもしれないが、結局それどまりになってしまう可能性もある。

 

 で、何度も何度も思考をせずに過去の例を当てはめることで思考停止が脈々と受け継がれていく結果になる。

 こういう状態(つまり前例主義に則ていること)が野放しに放置されているから思考停止が蔓延るのです。

 これが思考停止に陥る第1の理由です。

 

2.学校教育の問題

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 日本の学校教育には「あなたはどう思うか?」という問いがほとんどありません

 基本的には教科書に書かれている用語の暗記や内容理解が重視されています。

 

 で、教科書の内容を理解していれば、その理解が深ければ深いほど、試験で高得点を取ることができますし、結果受験で合格することにもなり、さらには大手企業にも入社ができるシステムになっています。

 

 この日本の受験システムの厄介なところは、自分の意見や感情を排するほど得点に結びつく点なんですよね。

 だから一層自分の考えを持ちづらくなる。

 

 でも教科書の内容理解と同じぐらい重要なことって「自分はどう思うか?」じゃないですか。

 「自分はどう思うか?」という行為は能動的な行為です。

 そうやって能動的なスタンスで勉強することで、自分で考えることができるわけです。

 その過程が省かれているんですよね。

 

 就活とかだってそうじゃないですか。

 表面的には「個性が大事です!」とか「弊社には自分で考えることができる学生に来てほしいい!」と言っておきながら、結局採用されるのは会社に対して忠誠心が強そうな、黒髪リクルートスーツの学生です。

 

 受験でも就活でも公務員でも、求められるのは物事を理解することに長けていて、自分の意見を持たない人材です。

 

 こういう習慣が根付いているから、思考停止に陥ってしまいます。これが第2の理由。

 

3.ゴールを持っていない

 ゴールがない。ゴールを持たない。

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 大学受験までは、多くの人はゴールを持っています。

 つまり第一志望に合格するというゴールを。

 受験でなくても学校の試験で学年で10位くらいに入るとかテストで○○点取るとか。

 

 そうやってゴールを持つことで何をすべきなのかが明確になるので、目標を達成するための知識を得るようになります

 というか脳科学的に脳が必要な情報を集めてくれるという性質を持っています。

 そのことを書いたブログは↓

www.penserblog.net

 

  ゴールを達成させるためには思考を働かせなくてはいけません。

 何も考えずして成果を上げることは不可能ですから。

 

 で、そうやってゴールに向けて突っ走り、目標を達成できてもできなくてもその人は確実に進化しています。

 目標を作って実行する前と後とでは明らかに思考力も変わっています。

 受験ではこのようにゴールを作り、それを実行するという過程において思考力が付きます。

 

 が、大学生、社会人になると、ゴールを作るという行為がなくなる傾向にあります。

 大学生ならTOEICで高スコアと取るとか目標がかろうじてありますが、社会人になると、日々の業務に追われて目標を作る、という考えがなくなってしまいます。

 

 で、「思考しない」ことが習慣づくことによって思考停止に陥ってきます。

 社会人になると、ゴールが持てなくなる、これが思考停止に陥る第3の理由です

 

思考停止に陥らないために…

 では思考停止に陥らないためにはどのようなことを心がけていけばよいのでしょうか。

 それには2つあります。

 1つは常識を疑うこと、もう1つはゴールを持つことです。

 最初に常識を疑うことから述べていきます。

 

常識を疑う

 常識は、国家が国民を思考停止にさせるために用意した万能のツールです。

 この常識を振りかざすことで国民が考えるのをやめ、結果自分たちの言う通りに動いてくれると、国家は喜んでいます。

 認知科学者である苫米地英人氏は著書でこう述べています。

メディアや国家は権力者です。権力者というのは、権力を維持するため、国民に思考停止して欲しいと思っています。それは当然で、国民に自分で考えられたら非常に困るからです。『思考停止という病』p.58

 

 常識を疑いましょう。

 8時間労働は本当に適切な労働時間の長さなのか?

 週2日しか休みがないっておかしくないか?

 なぜ満員電車が常態化しているのか?

 

 これらの問題に疑問を持つことで、次第に社会そのもののおかしさに気づいてくるはずです。

 そういうふうに常識に対し懐疑的な姿勢を持っていけば、思考停止はなくなってきます。

 

目標を持つ

 次にゴールを持つことです。思考停止になってしまう理由でも述べましたが、ゴールがないことで考える必要がなくなってしまうのです。

 出世を目指すなり、副業で収入を得るなり基本何でも良いです。

 何かしら目標を持ちましょう。

 まあ出世に関しては転職市場が活発なことに加えて、そもそも副業で収入を得るから出世はどうでもいいと考えている人が多いので、昔と比べれば容易になっていると思います。

www.penserblog.net

 

 ゴールを持つことは思考停止に陥らないためというだけでなく、自分の持つパワーを発揮する上でも重要です。

つまり、本気で達成したいと思えゴールがあるからこそ、思考を動かすパワーが生まれるのです。そして、そのゴールを達成するまでホメオスタシス(恒常性維持機能)活動が続きます。つまり、達成するまで思考が動き続けるのです。p.50

 

 自分が達成したいと思うゴールを見つけましょう。

 

まとめ

 日本人が思考停止に陥ってしまうのは、前例主義に則ったり、教育において自分の意見を持つことが良しとされなかったり、ゴールを持たないからなんですよね。

 

 思考停止にならないためにも常識を疑うこと、ゴールを持つことを実践していきましょう。

 

 

 以上。